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2007年6月16日 (土)

パリスの収監とモンローの死

Paris20hilton20hates20jail_1 【ポップ・カルチャーは、社会の鏡】
 
世界中の注目を浴びたパリス・ヒルトン事件。僕はここでそれを通して、ちょっとした社会エッセイを試みたい。
 あんなパーティーとレンアイだけが生きがいのバカ女に、何の社会性があるんだ。世界には、もっとその実情を伝える事件があるだろう。と、そんなツッコミを入れる人も、ちょっと目を向けて欲しい。世界の姿を最もハッキリと映し出す鏡。それはポップ・カルチャーだ。そこで起きる大きな出来事には、必ず何らかの象徴性がある。僕はこの事件に大きな象徴性を感じている。今のアメリカ、そして世界の姿を、今年起こったどんな出来事よりも、ハッキリと映し出してるように思えるのだ。

 【この事件に対する、4つの反応】
 6月半ばのこの1週間、パリス・バッシングの嵐がアメリカ全土を駆け抜けた。このパリス事件は日本のメディアも大きく報じたが、ただの笑い話として扱っていたように見える。つまり、これまでの彼女のゴシップと同じく、取るに足らない“お騒がせパリス”事件だと捉えていた。 世界的に見ても、このパリス事件に対する人々の反応は、主にこの2つに分かれるだろう。
 つまり、バッシング派か、からかい派かだ。そして次に多いのが無関心派だろう。上に書いたような、世界にはもっと伝えるべきニュースがあるだろうというマジメ派だ。
 さて僕はと言えば、この3つの主流派には属していない。そう、つまり僕はマレに見る、パリス・サポート派だ。
 
【そもそも、パリスは45日もの禁固刑に当たる罪を犯してない。】
 事件を振り返ると、まずパリスは車の飲酒運転で捕まった。そして保護観察と免停が課せられた中、また運転中の何らかの違法行為(それについて確かな報道はない)でパクられた。ただ、それだけだ。
 つまり、たった2回の交通違反で、1ヶ月以上のムショ暮らしのバツをくらったことになる。それに関してパリス・バッシング派は、彼女が保護観察中に逮捕されたからだと言う。だが、そもそも1回の飲酒運転だけ(しかも酒気帯び程度の量)で保護観察(次に何かやったら、ムショですよという状態)が課せられること自体が異常だ。日本や他の国の道交法ではどうなってんのかは知らない。しかし、普通の感覚に従えば、明らかにおかしい。
 これは、アメリカならではの厳罰であるハズだ。アメリカでは年間、4万人もの人が飲酒運転事故で命を落とすんで、道交法も厳しくせざるを得ない状態なのだ。そう言えば日本も去年、飲酒事故が多発してそうなった。
【権力の膨張と犯罪者の増加による、悪夢のスパイラル】
 そんなパリスへの厳罰の奥には、今の病みきったアメリカの姿が見える。7年にも渡るブッシュのミス・リードで、アメリカは今まさに崖っぷちまで追い込まれている。
 まず、ブッシュは幻想のテロリズムで権力を膨張させた。僕は、9.11はもちろん、それ以降の先進国での国際テロも、すべてアメリカ主導のやらせだと信じている。
 権力が膨張すると、世の常として凶悪犯罪が増え、それと共に法律も厳しくなる。その結果、普通の人々の自由も脅かされるようになる。つまり、ちょっとした悪事でも違法行為になり、過剰なバツが課せられる。
 要するに、この事件のパリス・ヒルトンもその1人なのだ。
 権力の膨張と犯罪者の増加。この悪循環が今、アメリカを地獄へと導いている。そして、ついにパリス・ヒルトンまでが、その泥沼に投げ込まれたのだ。
 
【パリス・ヒルトンとマリリン・モンロー】
 なあにをオーゲサな。ただ、大金持ちのビッチが、ワガママ暮らしの果てにムショに放り込まれただけじゃんか。と、そう思う人もいるだろう。しかし、今やパリスは、アメリカのアイコンであり、セックス・シンボルでもある。と、言えばマリリン・モンローが思い浮かぶ。パリスはモンローと較べられるに値する存在だ。モンローほど愛されてないし芸もないじゃんか、との突っ込みは外れている。モンローだって全盛期は、今のパリスのように社会の保守層に大バッシングされてたし、彼女の演技や歌の才能もパリスのそれと大差はない。
 そして、モンローの死は、今のパリス収監事件とも重なる。1962年、モンローは暗殺めいたナゾの死を遂げた。ちょうどアメリカが、ベトナム戦争に熱を入れ始めた頃だ。そして、今アメリカはイラク戦争の泥沼にハマっている。
 1時代のポップ・アイコンが苦難に遭う時。
 きっと、それは世界が近い将来、どん底に落ちてしまう事を告げるサインだ。
 オリの中に入ったパリス・ヒルトン。それは、かつての栄光に満ちたアメリカが、オリに入った姿でもある。このパリス事件は、ただのスキャンダルや笑い話に終わらない時代的な象徴性を帯びている。■

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