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2007年7月21日 (土)

マドンナとジョン・レノンに見る世界の変え方。

  07年、77日。
 この7が3つつく日に、世界では何があったか、皆さんご存知でしょうか?
 答えは、“Live Earth.
 Mr.G.W.Global Warming<地球温暖化>)こと、アル・ゴアがオーガナイザーを務め、“Climate Change.(気候変動)”をテーマに、世界6大陸、9都市を舞台にして行われた.ライブ・コンサートの事だ。参加アーティストは100人を上回り、イギリスでは、Madonnaに、レッチリ。ドイツではShakira。南アフリカでは、Joss Stone. NYでは、Kanye West.そして、京都の東寺では再結成されたYMO.が、コンサートをした。それは、世界10億人以上の人が、何らかのメディアを通じてライブ視聴したと言われ、ネットの動画ストリームでは900万の利用者が出たそうだ。MSNのサイトでは、まだ無料視聴をやってて、見たい方はこちら

 要するに、Live Earthとはその名の通り、地球イヴェントだった。しかしだ。僕がそれを知ったのは、それから1週間以上が過ぎてのことだった。確かに、僕がその間、世界のニュースにアクセスしてなかったのも悪い。だけど、ちゃんとしたメディアがある国なら普通、こんなニュースは大々的に取り上げるワケで、誰もが自然にそれを知らされるハズだ。
 だけど、日本は数少ない普通じゃない国の1つだ。ライブ・アースに対する日本の主要メディアの反応はよく知らないが、どこも大きく取り上げなかったのは目に見えている。2年前のこれまた地球イヴェントな“Live-8.”の時もそうだった。しかも、その時も今回のLive Earth.でも、日本は参加国の1つだった。
 とにかく、日本ではボ----っと暮らしてると、世界からおいてきぼりを食らうことになる。

 Live Earth.この地球ライブのテーマ・ソングは、マドンナの歌う、“Hey You”だった。下に置いたのは、そのYouTube.用に送られたPVだが、すばらしい曲だった。というワケで、皆さんもどうぞ、ご覧あれ。
 
 これは基本的に気候変動へのアクションを促す歌で、ワールド・ワイドなメッセージ・ソングらしく、リリックはシンプルな英単語でつづられた分かりやすいものだ。
 そして、最大のポイントは、この曲が、環境派な人々に対する仲間内ソングじゃないということだ。歌を聴けば分かるが、タイトル“Hey You”のYou とは、環境活動への懐疑派を指している。つまり、この曲のテーマは、彼らに対してエコ精神や博愛を目覚めさせようとする事だ。そこには、いつも世界に変革を求めるMadonna.らしさがある。
 そのHey You.のある、YouTube.ボックスのコメントらんを見渡すと、アメリカにはいかに懐疑派が多いかが分かる。“手遅れだ。” “ポップスターや政治家が知名度を上げるためにでっち上げた、ムーヴメントだ。” はたまた、“地球を救うというスローガンには、人間のゴーマンさがある。温暖化が進んでも地球は全くOK.で、人類が絶滅するだけだ”といった、自然主義的ニヒリズムまでがある。
 Madonna.はそんな連中に、Hey You!と言ってるのだ。けれど、マドンナ自身にもエコへの懐疑がなければ、こういう曲は作れない。彼女は心の闇に潜むそんな彼女自身にも、Hey You!と言ってるに違いない。Zfablove
Live_earth  
 










 そこで、僕は、ジョン・レノンの“All You need is Love.(愛こそすべて)”を思い出した。
 これはビートルズ時代のJohn.の名曲だ。そしてこれは、“Our World.”という人道企画の元、BBCの衛星中継を通して全世界にライブ・パフォーマンスされた曲でもある。世界26カ国、3億人以上がTVで見たと言われるもので、当時のメディアとして世界初の試みでもあった。
 つまり、このAll You need is Love.は、今回のLive Earth.でのマドンナの“Hey You”とほぼ同じ状況で作られた曲だ。そして、その曲作りの姿勢も共通している。
 これは甘々なラブ・ソングとして有名で、日本でもひどい誤訳、誤解を受けている曲だ。実際、そのリリックはAll You need is Love.という1文をのぞけば、愛への否定的態度に満ちている。
“作られてないものを作ることは出来ない。救えない人を救うことは出来ない。でも、自分の時間に浸ることは出来る。そっちの方がイージーだろ” シンプルに訳せば、こういう詩が唄われている。そして、その本質には、世界を変えることへの絶望と、自分だけの世界に逃げ込むことへの誘惑がある。
 John.はそんな文句を並べた上で、All You need is Love!(そんなお前に何より必要なのは、愛だ!)と叫んでいる。だからこそ、この1フレーズは強烈に響くのだ。
 この1曲は、そんな孤独の最果てに落ちた人々にこそ向けられている。そして、John、自身にもそんな自分があるからこそ、
こういう曲が作れる。つまり、All you need is Love.You.には、彼自身もふくまれている。John.はこの曲を自分自身への警鐘としても作ったハズだ。
 
 そこに、Live Earth.のために、Hey You.を作ったマドンナとの共通点がある。要するに、John.Madonna.も、博愛という甘いテーマを打ち出しながら、それに対して否定的な自我があることを暗示させている。その上で、それを克服することを多くの否定派に、そして自分自身に訴えている。
 そういう自我の葛藤の中に、本物の愛や誠実さがある。ジョンとマドンナ。この2人に対して、ポールやセリーヌ・ディオンなんかのラブ・ソングが浅はかなのは、何の抵抗もなく愛を歌い上げているからだ。また、それは日本で流行る大半のラブ・ソングにも言える。
 世界平和やエコが、人類の歴史上、正しい選択なのかどうかは分からない。ただ、少なくとも世間のニヒルな流れや、自身の無気力さに身をまかせるよりかはマシだ。真実とは、そういうイージーな方向には絶対ない。
 John Lennon.Madonna. 彼らは、世界に変革を促しながら、自分に対しても変革を迫るアーティストだった。■



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 P.S.

 これはMadonna.本人のブログの1記事、“It's All an Illusion”に貼ってあった図です。左が怒ってる人で、右が冷静な人に見えるハズです。だけど、PC画面から2-3mほど離れて見ると、あらフシギ。それがスイッチして、見えるハズです。
 マドンナによると、グラスゴー大学の人(たぶん教授だろう)による発明だそう。彼女はこれに対し、私たちが普段、見ているものが確かじゃない事の証明だわと書いている。世界の価値観をひっくり返し続ける、彼女らしいブログ記事で、まったく感心、感心。あ、でも、目の悪い人には、スイッチして見えないかも。どうなんだろうか?■

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