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Victory of Woman
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Victory of Woman

Victory of Woman

"Fight Club"
僕にとって、この映画は男社会に対する、女の復讐と勝利のドラマだ。
 確かにこれは深読みでもある。何しろ、この映画に出てくる女は、Helena B.Parker.演じるマーラだけだ。
 しかし、Edward Norton.演じる主人公が1度こう言う。「オレたちは、母親だけに育てられた初めての世代だ。」それは、離婚家庭育ちが多い90年代のアメリカ・ジェネレーションXの若者に当たるセリフだ。
 Fight Clubの男たちは、実は皆んなマザ・コンである。そして、彼らの母を象徴する存在として、ビッグティッツ・ボブ、巨乳ボブがいる。彼は元ボディービルダーなのだが、薬物乱用でホルモン異常を起こし、オッパイを持つようになった。
 上の写真では、そのボブが、Fight Club.のリーダーNorton.を抱きしめている。このシーンはコミカルでありながら、Fight Club.の本質を表してるようだ。
 ボブはFight Club.のミッション中に警官に撃たれて命を落とす。だが、彼はその後、メンバーによってその死を祭り上げられ、彼らのアイコンとなる。

 Fight Club.のメンバーはもちろん暴力的だ。だが、それは彼らがママっ子らしいイノセンスの持ち主だからだ。心が純粋なほど、社会の残忍さを吸収してしまう。彼らの過剰な暴力性は、社会の根本的なそれを反映したものだ。そして、その社会の元凶に男がいる。

 すばらしいクライマックスにも、そんなテーマが透けて見える。ラスト・シーンは、主人公とマーラが手を取り合って、次々に倒れ行くビルを静かにながめるというもの。ビルの崩壊は、Fight Club.のテロによるものだ。そして、ボッキしたペニスの1ショットが1瞬入って映画はエンドロールに入る。
 それはただのユーモアでもあるが、テーマ的な臭いもある。そのペニスは倒れ行くビルにも重なり、それと共に男が浮かび上がる。つまり、男が支配したこの世界だ。
 1組のカップルが、ビルの崩壊を静かに眺める。そのラスト・シーンは、女性的な愛が男性的な社会に勝利したことを、訴えてくる。僕はそう感じた。
 
 原作者のChuck Palahniuk.は、消費主義や過当競争を核にした社会に否定的な立場だ。だからこそ、彼の小説はニヒリズムに満ちている。だが、それと共に、彼はスピリチュアルな世界、つまり女性的な世界に希望を見ている。
 男が支配した歴史が破滅に向かっている今、世界は女性性へのシフト・チェンジが必要だ。男と女がもっとフェアに融合した世界が必要だ。
 この映画、Fight Club.は表面的には男のマッチョイズムにあふれながら、その本質には女性性への礼賛がある。だが、あまりに暴力描写が目立つために、その味が出し切れてはいない。それが、とても残念なところだ。

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